2004年11月30日

書評:山頭火句集(1)

『山頭火句集(1) 山頭火文庫』(種田山頭火、春陽堂)

放浪の俳人。乞食坊主。アル中の無責任オヤジ。わが愛する種田山頭火。

ちくま文庫の『山頭火句集』で衝撃的に引きずり込まれ、岩川隆の『どうしやうもない私―わが山頭火伝』で共感と反発に身もだえした。たまに句集をちらちらをのぞくだけでしばらく距離を置いていたが、ついに山頭火文庫に手を出してしまった。

分け入っても分け入っても青い山

生死(しょうじ)の中の雪ふりしきる

どうしやうもないわたしが歩いている

こんな句なら多くの人が知ってるんじゃないだろうか。他にもざくざくと素晴らしい句がある。とにかく沁みる。やはりその境涯を知った上で読んだほうが面白みが増すので、上記の岩川本がお薦め。

それにしてもみずみずしい言語感覚だ。孤独も空腹も自然の厳しさも、そしてほっとするような開放感も、すべて短い言葉で言い切っている。ポエジーという点では写真はこんなに短い言葉にも追いつけない。

俳句といってもなにも難しいところはない。自由律俳句なので季語もないし、字数の規定もない。最近流行の一行詩として読めばよい。

表紙、および中に配された写真は竹内敏信。風景写真の人気作家。一部ではバンダナおやじと蔑称されている。こんな写真も撮るのかと驚いた。こちらもなかなかよい。もしかしてモノクロのマジックか。

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この記事へのコメント
■投稿者:cherico at 2004年12月04日 11:13
はじめまして。最近ずっと拝見しておりました。
写真は上手く撮れないのですが、見るのは大好きで
趣味で写真付き俳句を作っています。
(写真はフリー素材からお借りしているのですが)。
山頭火は、耳に馴染んでいるのに句集をじっくり
読んだことがありませんでした。
ご紹介のあった岩川氏の著書も読んでみたいです。

私の俳句も「自由勝手気まま」なものです。
季語が無いじゃぁないか、と時々言われますが
自分としては世界最小の文学を楽しんでいるつもりです。

この本は早速探して読んでみます。
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■投稿者:Cozy at 2004年12月04日 18:31
いらっしゃい、chericoさん。

山頭火句集は反響が少なくて、ちょっとがっかりしていたところです(リンクへのクリックで関心度がわかります)。関心を持っていただいてうれしいです。

ブログの猫写真、可愛いですね。11月28日のはすごくいい。まいりました。
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