2004年12月04日

書評:女王陛下のロンドン/ハービー山口

『女王陛下のロンドン』(ハービー山口、講談社文庫)

写真家、ハービー山口のエッセイ。

文庫本にリンクしてあるが、古い単行本で読んだ。そのタイトルは『CLIMB 「クライム」女王陛下のロンドン』となっている。「努力して今の地位をつかみました」という意味でつけたのだろう。ハービーが成功のきっかけをつかんだのはロンドン時代にミュージシャンの写真を撮っていたことにある。それが日本でありがたがられた。それで「女王陛下のロンドン」なんて副題(現在はメインタイトル)がついている。しかし、女王は何の関係もない。間違って買いませんように。

体が弱く華々しいもの対する劣等感の強かった山口がロンドンで貧乏で孤独な生活をしながら写真を撮り続け、少しずつでも仕事を獲得していく様子がつづられている。成功するのは日本でファッション関係の仕事をしてからだ。ボーイ・ジョージ(ポップスグループ、カルチャークラブのあの人)と仲のいいロンドン帰りのハービー山口ということで売れたようだ。

もちろん実力もあるわけだが、その実力の半分は相手に警戒心を起こさせない風貌や態度にあるのではないだろうか。そのためいい表情の写真が撮れる。こうした傾向に自分でも気がついて人物写真家になっていく過程が本書をよむと理解できる。

編集者の意向なのか構成が時間の流れに沿っていないのは読みにくい。エンディングでクロマティとの交友がクローズアップされているのは、妙な印象を受ける。ハービーは音楽よりも野球が好き。正直ではある。

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