2004年12月08日

書評:僕とライカ/木村伊兵衛

『僕とライカ 木村伊兵衛傑作選+エッセイ』(木村伊兵衛、朝日新聞社)

写真家、木村伊兵衛のエッセイと写真を収めている。

写真は少ないけれど、傑作選とあるように代表作を収録してあるので、どんな写真を撮った人かわかる。日本の代表的写真家にしては地味で印象の薄い写真が多く、拍子抜けするかもしれないが、木村伊兵衛はこういう「味」なのだ。

エッセイはあちこちに発表しているものを集めている。「私の写真生活」では、カメラとの出会いからプロになり報道写真を志すまでが書かれている。海外の写真の潮流の影響を受けて写真への考え方の変化するところなどは日本の写真史的に面白い。

「パリで会った彼の印象 アンリ・カルティエ=ブレッソン」はブレッソンに親切にしてもらったことを長々と書いているが、こちらが読みたいのはブレッソンがどんな撮影方法をとっていたのか、どんな理論を持っていたのか、だ。期待はずれ。

それとは逆に「ヨーロッパ撮影記・パリにて ロベール・ドアノー」ではいかにドアノーが町の人々に受け入れられていたかを証言していて興味深い。ドアノーは庶民の代弁者であり友達であり、特別な存在として厚遇されていたらしい。

最後の対談で土門拳が木村をけっこう持ち上げていたのは意外だった。喧嘩別れしているので、もっと険悪なムードかと思った。

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