2004年12月10日

書評:新正体不明/赤瀬川原平

『新 正体不明』(赤瀬川原平、東京書籍)

正体不明シリーズの最新作。最初の正体不明から10年たったそうだ。

赤瀬川が撮るものはトマソン物件や奇妙な物件を探す路上観察的なものから「風情」「味わい」へと変化した。もちろんそれは赤瀬川流の風情であって、はじめて氏の写真を見る人には伝わりにくい至極微妙なものだ。この写真集にはそうした微妙な写真がたくさん掲載されている。

写真にはそれぞれキャプションがついていて、写真を見た後にキャプションを読むと、なぜ彼がこの写真を撮ったのか、見どころはどこなのかがわかるようになっている。キャプションを読んだあとに写真を見ると味わいが深くなる。そして事物を見る目が複雑になり、世界が広がっていく。

赤瀬川ワールドには感心させられることが多いし、いろいろと教えられる。とりわけ自分なりの味わいを見つけて撮る姿勢には影響を受けた。こういう写真の楽しみはわかる人とわからない人にはっきり分かれるのじゃないだろうか。自分の写真を他人に見せたとき「なんなの、これ?」と反応されたことがある人は赤瀬川ワールドへいらっしゃい。

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