2004年12月23日

ヴォルフガング・ティルマンス展『Freischwimmer』

東京オペラシティのアートギャラリーでやっているヴォルフガング・ティルマンス展に行ってきた。

最初のふたつの部屋では写真を見ながら、「これは何が写っているのだろう」と考えてしまった。すぐに認識できないものを提示するのは現代美術の発想。だからこれはきっとアートだ。

なにが写っているのかわからない被写体は、たとえば窓際に置かれたいくつものビンとよくわからない小物。窓枠からすると古そうなアパート。簡素であってちょっとしゃれているような雰囲気。いい具合の光。ティルマンスの部屋なのか。しかし、個人の部屋のようにも見えない。いろいろな小物があるけれど、なぜそれが窓際にあるのかがわからない。そういうわからない印象の総体として存在する写真。

絵の具を置いた上に水を入れたような写真。淡い色だけの写真。誰かが脱いだ服。異様に大きい流しによくわからないものが置いてある。

しばらくしてアトリエのようなところを写した写真が出てきた。複数の人間が利用しているみたいだ。ああ、そういうことか。と少しだけ解釈ができる。

ティルマンスはアーティストと一緒に作業をしているのらしい。そして影響も受けているのだろう。色調の好みが統一性をもたらしているが、それがなんだと言えばなんでもない。

簡単に分類整理できないぞという意思も感じる。それはゲイの両義性にも通じるのか。

鳥瞰図、写真に何かを上書きしたかのような細工がしてあるもの。ホモセクシャルな写真。金玉の裏側。民家の上を飛ぶコンコルド。おそらく撮影順に並んでいればわかりやすくかったのだろうが、とりとめがない。

世界で評価されているそうだ。繊細な美などと解説に書いてある。そういう面もある。ちょっとひかれるものもある。でも、そう簡単にはだまされないぞとも思う。その微妙さがティルマンスの印象だ。

Freischwimmerは自由に泳ぐ人という意味らしい。

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