2004年12月24日

書評:絵画の二十世紀

『絵画の二十世紀』(前田英樹、NHK出版)

著者は立教大学文学部教授。専攻はフランス思想、および言語論。いわば畑違いの素人。

写真の登場によって絵画は正確な描写から解放された。解放されてさて何をすべきか。マチス、ピカソ、ジャコメッティ、ルオーの4人を取り上げ、その方法を分析する。テーマはいいのだが、内容は期待はずれだった。

絵画についての没論理的で極端な考えを断定的に書き、これがこの画家の考えだという。適宜引用があれば納得もするが、証拠はない。そのため著者の妄想、妄言に見える。そんな書き方で延々でやられるのでたまらない。

小林秀雄ばりのレトリックの悪しき模倣。現代哲学風(非科学的)の意味不明な用語の使用。趣味的な文章に淫せずにしっかり筋道立てて論じて欲しかった。

ときおり、なるほどと思わせるところもあるので最後まで読んでしまったが、全体としては不快感が残った。ルオーについて書いた部分が比較的よかった。

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