原宿の太田記念美術館で『開館二十五周年記念 太田記念美術館名品展』を見た。(書くのが遅れたが、唐招提寺展より前に見ている)
今回、展示されているのが「浮世絵の初期から終焉に至るまでの代表作品を網羅した肉筆画・版画・版本・扇」ということで、見逃すわけにはいかなかった。葛飾北斎、歌川広重、喜多川歌麿、東洲斎写楽といった有名どころはもちろん、奥村政信、鈴木春信ら重要な浮世絵師が目白押しのファン垂涎の企画展となっている。
私の浮世絵に対する興味は広重や北斎の風景画が中心で、美人画などはさほど関心がなかった。ところが、見始めたら今回展示のほとんどすべてが素晴らしいので驚いた。江戸の美人画なんてどれもこれも同じような顔をした下手な絵という印象が強かったが、どういうわけかどれもこれも面白い。まったく認識を新たにしてしまった。
いろいろな理由が考えられる。名品が集まっているということもあるだろうし、実物は書籍の中の複写とはまるで違うということもある。こちらの心の準備もできてきたのかもしれない。
歌麿のアップの美人画、写楽の役者などの人物画。どれもよい。とにかく見てよかった。大満足。
※上の画像は喜多川歌麿の「五人美人愛敬競 兵庫屋花妻」
お土産に買ったのは明治時代の小林清親(きよちか)のポストカードという渋いチョイス。じつは清親を特集した雑誌を持っていて、実物を見たいと以前より思っていたのだ。やっぱり実物はいい。サイズが大きいし、リアル感というか、画面が迫ってくる感じがある。
この名品展は1月と2月では展示内容を変える前編後編構成となっている。2月も行く予定だ。
割引券のページ…プリントして持って行くと入場料が安くなります。
※お土産に買った小林清親の「東京新大橋雨中図」