2005年01月28日

書評:空と無我 仏教の言語観

『空と無我 仏教の言語観』(著者:定方晟, 出版社:講談社現代新書)

仏教には多くの経典があり、多くの宗派がある。そのためなにが仏教の中心思想だかわかりにくいし、関心を持ってもどこから手をつけていいのかわからない。そんな迷いを断つかのように本書は「空」と「無我」こそが仏教思想の中心であると断じて、おもに言語分析的な視点から解説をしている。

本書の主題となる「空」とは物質には恒常不変な実体がないこと。「無我」とは我(私)もまた実体がないこと。別の面から言うと、世界と独立して存在する私などないことを意味する。先に紹介した『弓と禅』につながる世界観でもある。

ブッダが時代の制約を受けていたのは事実だし、多くの宗派が輪廻転生を前提に語っているところなど現代人には同意しにくい面もある。むしろこのように「空」を中心に考えた方がすっきりすると私は思う。葬式仏教や輪廻思想が好きな人には噴飯ものだろうが、仏教に対する考えを整理するのに役に立つ。

『弓と禅』が面白かった人はこの本も面白いと思う。

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