2005年02月19日

富士フイルムの「NATURA S」レヴュー

富士フイルムより頼まれてコンパクトカメラ「NATURA S」のモニターを引き受けた。撮影が終わり、写真もできてきたので、感想をまとめておこう。(以下、面倒なのでSは省略してNATURAと記述する)

NATURAは銀塩(フィルム)用のコンパクトカメラ。しかも単焦点レンズ。ズームではない。今時こんなカメラを出してくるなんて、マニア向けかと思ってしまうが、サイトを見ると一般向け商品のようだ。かなり個性的な商品コンセプトを持ったカメラのようだ。定価はオープン価格となっているが、3万円以下で売っている。今ヨドバシカメラで調べたら、27,400 円(税込)で13%のポイント還元がついていた。

NATURAの最大の魅力はやはりレンズだ。24mmF1.9の超広角で明るいレンズ。銀塩カメラユーザーでもこのスペックのレンズを持っている人はほとんどいない。ペンタックスならばFA★24mmF2AL[IF]があるが、希望小売価格:77,000円(税込80,850円)。ヨドバシ特価で61,600円だ。キヤノンには相当品はない。もっと明るいか暗い。明るいEF24mmF1.4Lの定価が216,000円(税別)で実売180,300円、EF24mmF2.8が定価49,500円(税別)で実売38,600円。こう見ると24mmF1.9のレンズがボディ込みで3万円以下で買えるNATURAが面白い存在であることがわかるだろう。しかもスーパーEBCフジノンレンズの6群7枚構成ということで描写力もよい。

もうひとつの特徴はNATURA1600というISO1600の高感度フィルムとの組み合わせでノンフラッシュ撮影モードを標準にしていることだ。F1.9の明るいレンズとISO1600の組合せならば少々薄暗い場面でも手ブレせずに撮れるので、デフォルトでノンフラッシュという選択は間違っていない。フラッシュを使うと平板な印象の写真になるし、背景が暗くなる(スローシンクロにすればいいのだが、慣れない人は背景をぶらしてしまう)ので、積極的にNATURA1600を使う意味はある。普通のフィルムを使えば、自動でフラッシュ発光するし、NATURA1600でも強制発光は可能なので心配は無用。

今回モニターしたのはコンパクトカメラの「NATURA S」と高感度フィルムの「NATURA1600」のセットだったので、「たばこと塩の博物館」内部の暗いところでもノンフラッシュで撮影してみた。出来上がりを見るとまったくぶれていない。なかなか強力な組合わせのようだ。

実際に使ってみての印象だが、これは複雑だ。

一番の魅力は24mmという超広角レンズなので個性的な写真が撮れる、ということにつきる。しかし、私は銀塩でもこんな広角レンズは持っていないので、最初は戸惑った。被写体を見つけて写真を撮ろうとカメラのファインダーをのぞくと被写体がずっと遠くに見えるのだ。想像していたよりもずっと遠くてまるでイメージが違う。この画角の特長に慣れる前にモニター用にもらったフィルムがつきてしまったのは残念だ。

できあがった写真を見るとやはり24mmの超広角は強烈で、画角の広さだけでも面白い写真になっている。なんの努力もせずとも個性的な写真が撮れるのだから面白いカメラだ。

気に入らない点もある。ボディが安っぽい。価格も安いのだから当たり前だが。

女性向けのデザインだとも思った。「大の大人」が手に持って歩くのはちょっと恥ずかしい。富士フイルムの方でもそう思ったのか、後からブラックモデルも発売した。できれば黒モデルでモニターしたかった。またどういうわけかブラックモデルの方が実売価格が高い。現在3万円以上している。それでも買うとしたらこちらの方を選びたい。


NTURA BLACKNTURA BLACK

それとファインダーが見づらい。安いコンパクトカメラはすべてそうなので、文句をつけるのは酷かも知れないが、一眼レフカメラを使ってきた者としてはやはりつらい点なのだ。

以上が感想だが、やはり24mmF1.9の超広角の明るいレンズが一番の魅力だ。そこに魅力を感じるのをむしろカメラ好きの人だろう。私が言わなくてもこのスペックを見ただけで理解できるに違いない。一般ユーザー向けの用途では、夜景などの暗い状況、狭い室内、建物バックの記念撮影に向いているということを言い添えておきたい。


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