2005年03月28日

書評:ひと月、百冊読み、三百枚書く私の方法 2

 『ひと月、百冊読み、三百枚書く私の方法 2』(著者:福田和也,出版社:PHP研究所)

ちょっと前に紹介した『ひと月、百冊読み、三百枚書く私の方法』の続編。読むことについての記述はなく、書くこととデジタルツールの使い方への言及が中心だ。前作に比べるとより実践的で重要なことを出し惜しみせずに書いている印象だが、相変わらず普通の人には実践が難しいことが多い。

書くことが上達するには、より上のレベルを目指して悩み、苦しむことが重要で、そのためには自分がどうしても書きたい大きなテーマを持てという。しかもそういうテーマに出会うことは難しいともいう。その通りだろう。そういうテーマを提示できるのはよい編集者だとも言う。そんな編集者に出会う可能性がゼロの普通の人はどうすればいいのか。

面白いかったのはコラムの書き方を紹介しているところ。コラムには、情報、分析、解釈、価値の4つの要素がある。最後の価値は読んで人に行動を起こさせることだという。たとえば、その映画を見に行く、とか。ブログでコラムを書きたい人には参考になるのではないだろうか。しかし、分析と解釈の違いがわかりにくい。解釈は主観であり、分析で作られた文脈に意味を与えるというのだが。

パソコンはノートパソコンを2台使っていて、一台が執筆用で、もう一台で資料を表示するような使い分けをしているそうだ。辞書や辞典のCD-ROMを大量にインストールしていて、インターネットの検索よりもこちらを使っているという。インターネットは校閲がなされていないし、無駄な情報も拾ってしまうからというのがその理由。たしかに評論の参照用としてはインターネット不適格だろう。

他に理想のデジタルカメラを求めての購入遍歴、音楽をパソコンに入れて楽しむときに選択を迫られて自分の意外な好みがわかった話など、体験者なら共感できる話が随所に出てくる。

書くことに興味があればいろいろと刺激を受けるだろう一冊だ。


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