2005年04月08日

書評:古本屋サバイバル

『古本屋サバイバル―超激震鼎談・出版に未来はあるか? 3』(著者:小田 光雄 , 河野 高孝, 田村 和典 ,出版社:編書房)

現役の古書店経営者である河野、田村と、、ライターの小田による古本屋の興亡についての鼎談。

古本が売れなくなったのはなぜか。その原因をブックオフなどの新古本屋の影響、読書人口の減少、書籍の消費財化による質の低下などにさぐり、後継者問題、古書価格の低下、売れ筋の変化について語る。ブックオフとの客の取り合いだけでは語れないいろいろな問題が古本屋のまわりにおこっていることがわかる。

新刊書でも言えるのだが、いわゆる硬い本が売れないのは、読者側の変化が大きいようだ。最近、大学から文学部の国文科や英文科が減っているという。新しい学科がうまれ旧来の文科系の学科が閉鎖され、それによって学生が昔の固い本を買わなくなっている。必要な部分だけをコピーすることも普通になった。このあたりのことも正統派の古本屋にはつらいところだ。

美術全集、文学全集などはぜんぜん売れないようだ。かつての教養主義が崩壊していると言っていいだろう。マンガはブックオフで立ち読みし放題。エロ系はインターネットに完全敗北。人気があったものも時代とともに衰退する。これは世の習いで仕方ないだろう。

個性的で実直な品揃えの店が広い地域に散らばる読者層に支えられる形でのひっそりした生き残りくらいしか残されていないかのようだ。

最後のほうで、インターネットの検索システムで古本を売っていく今後の展開について触れられているが、新興のオンライン古本屋と個人のせどり屋(本書ではまだ話題になっていない)が大量発生している現状を見ると、インターネットもきびしい戦場になりそうだ。


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この記事へのコメント
■投稿者:kazu_kmetko at 2005年04月09日 10:29
恵比寿駅西口(ロータリ―側)駅前の戸川書店のファンです。やっぱり遠方のひいき筋でなりたっているのかな。
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■投稿者:Cozy at 2005年04月09日 22:39
その古本屋、何度か入ったことがあります。
間口が狭くて奥の深い店ですよね。
しぶとく残っているということは、いい店なのでしょうね。
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