
上野の東京国立博物館で開催中の
『唐招提寺展』に行ってきた。
律宗の総本山である唐招提寺(とうしょうだいじ)の金堂を解体修理するために、現在その中にあった仏像などが外に出されている。それらが今回東京の博物館にまわってきている。サブタイトルに「国宝 鑑真和上像と」とあるようにこのふたつの国宝が目玉となっている。
盧舎那仏(るしゃなぶつ)も見事だが、それを護持する四天王立像(してんのうりゅうぞう)がかなりいい。こちらも国宝で、力感あふれる造形はとても魅力的だ。とにかく見ほれてしまう。これに梵天立像(ぼんてんりゅうぞう)と帝釈天立像(たいしゃくてんりゅうぞう)のふたつの国宝を合わせてみれば、かなりの満足感がある。
仏像にはさして興味がなかったが、今回こららを見て認識を新たにした。それはあくまでも美術的な意味であって、仏教における仏像の意義は今でもあまり認めていない。
鑑真和上(がんじんわじょう)は中国の高僧で、何度も渡航に失敗しながら日本にやってきて仏教を教授し、唐招提寺を建立した人だ。その座禅する姿を再現した鑑真和上坐像はやはり今回一番の目玉だろう。正面からまじかで見ていたら、ありがたくて涙が出そうになった。日本最古の肖像彫刻だそうだが、その顔にはとてつもなくリアリティがある。精神的に深い表情というのだろうか。すーと引き込まれるような感じがする。
他にも国宝は多数来ている。出品目録で数えたら27もあった。といっても、多くの瓦が含まれていて、これらは古いだけでどうでもいいという印象。面白かったのは隅鬼(すみおに)だ。屋根を支える役目と魔除けの役目があるそうだ。正座した姿勢で頭上に柱を受けるというすごいシチュエーションを見事に体現している。その姿がけっこうチャーミングで気に入った。
さらにありがたいことに東山魁夷(ひがしやまかいい)の襖(ふすま)絵が大量に展示されている。これは以前テレビで見たときに一度見たいと思っていたもので、思わぬ形で実現してうれしかった。
今回は来なかったが、あの巨大な千手観音立像をぜひ見たかった。