2005年05月06日

書評:魂の昭和史/福田和也

『魂の昭和史 震えるような共感、それが歴史だ』(著者:福田和也,出版社:PHP研究所)

あとがきによると、チーマーやコギャルにもわかる昭和史を書いたのだそうだ。大まかな歴史の流れを語り口調で書いているのはそのせいだ。固有名詞がやけに少ないのも特徴で、かえってわかりにくいのではないのか、という気もしないではない。

そのかわり感情を表す言葉や形容詞などがやけにおおい。こういう部分で共感を呼ぼうというのはなんか違うと思ってしまう。こう感じて欲しい、そこをわかって欲しいとか、やけに訴えてくるのも押し付けがましい。

読みやすくはあるけれど歴史書としてはどうなのだろう。著者は知識のある人だし、勉強もしているようなので、それなりにしっかりしているのではないかと推測はするのだが、なにしろ文体が文体なので福田氏の勝手な解釈なのかなんなのかよくわからない部分が多い。

エンターティンメント性もイマイチじゃないのか。タイトルのように震えるような共感なんて特に感じない。この本でどう共感すればいいのか。でも、Amazonでは一般の評価はやけに高い。ニーズがぴったりあった人には面白いということか。

大雑把に歴史をつかんでおきたい人にはいいかもしれない。私もそのつもりで読んだのだが、もうちょっとレベルを高めに設定した本を選んだ方がよかったかなと今は思う。

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この記事へのコメント
■投稿者:musigny at 2005年05月07日 23:08
福田和也の書いているものを私は結構愛読しています。週刊新潮の連載なんぞは欠かしません。なぜかというと、それは私が彼にとって「良い読者」であるからです。圧倒的な読書量とフィールドワークをもって、検索下手で読書不足なのに「知」を堪能したい人に啓蒙しているのです。私なんぞは、ちょうど格好の標的なのでしょう。多分それが彼の本分です。
それゆえ、自分で社会的な書物を検索し、読解できる人には物足りないのでは?と思います。
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■投稿者:Cozy at 2005年05月08日 21:02
連載を読まれていますか。かなりの福田ファンですね。
毎週楽しみに読めるものがあるっていいですね。

今回はちょっと辛口なことを書いてしまいましたが、そのうち別テーマの本を読んでみようかと思います。
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