2005年05月07日

写真展:ウナセラ・ディ・トーキョー 残像の東京物語

世田谷美術館でやっている『ウナセラ・ディ・トーキョー ANOHI ANOTOKIO − 残像の東京物語 1935〜1992』を見てきた。

7人の写真家よる東京をテーマにした800枚の写真の大展示。その7人とは、荒木経惟、桑原甲子雄、高梨豊、濱谷浩、平嶋彰彦、宮本隆司、師岡宏次。

師岡宏次
photo by 師岡宏次(これは写真集の表紙。同じ写真が展示されている)

一番面白かったのは師岡宏次。引き気味の構図で戦前の街並みを写したものが多い。銀座の写真が多くてモダンな印象の東京を捉えていた。街中の看板、今でもあるお店もちらほら、和服洋服の入り乱れた風俗も興味深い。クリスマスは戦後になって広まったのかと思っていたが、戦前にもクリスマスで浮かれるサラリーマンがいたことが判明。

東京大空襲の惨状に目を見張る。廃墟の銀座を歩く人々。復興。写真は歴史の証言者であることをあらためて感じた。


桑原甲子雄の作品も多かった。やはり戦前の浅草や下谷がよい。師岡と違って人物に寄ってリアルな生活感を捉えていることに桑原の特徴があることがわかる。師岡の銀座と桑原の浅草では同じ時期の写真であっても雰囲気がまるで違う。撮影者の感性はもちろんだが地域性の違いも大きい。そういう対比もまた面白い。

桑原甲子雄それにしても桑原の1970年以降の作品群はなぜこうもつまらないのか。被写体への視線が変わってしまったのか。これが戦後の日本に対する批評なのか。左の写真はその中でもわりといい写真。このレベルでも戦前と比べると落ちる。
photo by 桑原甲子雄

他の方々の写真は正直面白くなかった。アラーキーはもっといい写真があるはず。

600円でこれだけたくさん見られるのはかなりお得。自分としては師岡だけでも満足できたと思う。超おすすめ。

名称: ウナセラ・ディ・トーキョー ANOHI ANOTOKIO − 残像の東京物語 1935〜1992
会期: 2005年4月23日(土)〜5月29日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間: 午前10時〜午後6時(入館は閉館30分前まで)
会場: 世田谷美術館 SETAGAYA ART MUSEUM
観覧料: 一般:600(480)円 大高生:400(320)円 中小生・65歳以上:300(240)円
( )内は20名以上の団体料金、障害者割引あり


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この記事へのコメント
■投稿者:とし at 2005年05月08日 09:33
どうもこんばんは。
大変に興味のある写真展です。
今この目で見れる東京は限られているので
鋭い観察眼をもった写真家の切り口でリアルな
古東京を見るのはとても有意義そうです。
なんとか会期中に行ってみたいものです。
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■投稿者:kazu_kmetko at 2005年05月08日 14:31
5月29日までですか。写真展のタイトルがなんだか歌謡曲の題と同じで(ザ・ピーナッツの二人の顔が浮かんできて)、ちょっとなぁ〜、と思っていたんですがいきたくなりました。(話題になるけれど実はいったことのない美術館です)ご紹介ありがとうございました。
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■投稿者:Cozy at 2005年05月08日 21:04
>としさん

戦前の写真は特に面白く見ることができました。
廃墟の銀座もなかなかすごい光景でした。
ぜひ行ってみてください。
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■投稿者:Cozy at 2005年05月08日 21:11
>kazuさん
そう、ピーナッツでしたね。ぼんやりした記憶しかないのですが。
検索したら、「“ウナセラ・ヴィ・トーキョー”とはイタリア語で“東京のたそがれ”という意味です。」と出てきました。
今になって知った次第です。



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■投稿者:kazu_kmetko at 2005年05月16日 15:14
Tokyoパノラマウオーク・ウナセラ編その2「歩行的地名論」(締め切りは当然すぎておりますが世田谷美術館のHPにまだ案内が載っているのではないでしょうか)

★ご案内役が写真家の高梨豊さんの今週末の催しです★

5月21日土曜日午前10時半JR飯田橋駅西口改札(新宿寄)

<<「コースは飯田橋から神楽坂界隈を散策した後新宿に移動。旧淀橋あたりを昔の名残を求めて歩きます(予定)仕上げは旧角筈のビアホールで高梨さんを囲んでの代打ち上げ会(こちらもよろしければご参加ください)>>

もし参加ご希望でしたら、上記ブログへ18日までにご連絡ください。参加したくて往復はがきで申し込んだのですが残念です。
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■投稿者:Cozy at 2005年05月17日 16:10
情報ありがとうございます。
しかし、私は高梨さんの写真はイマイチなので…以下略。

最近、東京を描いた版画に面白いものがあることを知りました。
この話題はいずれ書きます。
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■投稿者:kazu_kmetko at 2005年05月18日 13:57
OKです。終了日までに、写真展だけみてまいります。高梨さんは昔は風物というよりファッション系の写真を主にとっていらしたのでは.
間違いでなければ、そのように記憶しています。

版画の件、楽しみにしております。
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