東京国立近代美術館でやっているゴッホ展を見た。
年代順に各時期ごとの展示がされていて、ゴッホの絵の変化がわかるようになっている。また、ゴッホが影響を受けたものがいろいろと展示してあった。浮世絵をはじめとする他の絵画。愛読したキリスト教関連本や自然主義文学の小説本。構図や画題について影響を受けた絵、本の挿絵などもあった。
ゴッホ『糸杉と星の見える道』
ゴッホ以外の絵が多いのも特徴か。逆に言うとゴッホの絵が少ない。正直、これは不満だった。見たかった絵の多くが来ていなかった。とくに晩年の絵に期待したが、あまりに少ない。「ひまわり」もない(東京会場では展示しないらしい)。
こちらの気分が乗っていなかったせいもあるのかもしれないが、あまり感動はなかった。ゴッホというとアルルの強烈な日差しを描いたとよく言われるが、テレビで見るような輝きはない。以前、東郷美術館で「ひまわり」を見たときに、意外と地味でくすんでいるように見えたが、同じ印象だ。テレビのようにそれ自身が発光するものと実際の絵画の反射光での鑑賞では印象が変わってしまうのが大きな理由だろう。
一番よかったのは「糸杉と星の見える道」。これにはとてつもないパワーを感じた。
私はゴッホの絵は好きじゃないのだろうか。その生涯には関心はあるが、もともと好きな画家ではなかった…。今回は晩年の絵が少なかったので落胆したというのもある。
今回のゴッホ展はあまり期待しないで見に行かれた方がいいと思う。
東京国立近代美術館
5月22日(日)まで(会期中無休)