2006年02月05日

美術展:ポーラ美術館の印象派コレクション展

クロード・モネ「バラ色のボート」箱根にあるポーラ美術館所蔵の印象派コレクションが渋谷のBunkamuraにやってきている。

クロード・モネ『バラ色のボート』
1890年 油彩、キャンヴァス

ドガ、ルノアール、シスレー、モネ、スーラ、セザンヌ、ゴーガン、ボナール、ルドンとポスト印象派なども含めて錚々たるメンバーではあるけれど、このところ印象派への興味も弱まっていることもあってか、全体的にはさほど感動はしなかった。目玉になるような名品が少ないということもあるだろうが、ややインパクトにかける。

自分としては一番の見所はモネの「ルーアン大聖堂」。古い建築物に太陽光があたる様子を描写した連作のひとつ。本当はこんな風に見えやしないし、あまりにぼんやりしているのだけど、不思議な説得力がある。

口絵にある「バラ色のボート」もなかなかよかった。オールがびよーんと手前に伸びた広角レンズで写したような不思議な構図。幻想的な緑の池の中をすすむ白いドレスを着た娘たち(ひとりは奥さんか)を乗せたボート。自分はモネの光の効果よりも幻想的な雰囲気が好きなのかもしれないと思った。

レースの帽子の少女一般受けしそうなのはルノワールの「レースの帽子の少女」。実際、きれいなのでうっとりと見とれてしまった。

ドガはやはり構図と被写体のしぐさが面白い。スナップ的というかまさにスナップ。これらは自ら撮影した写真を元に書いている作品なのだろうか。あまりにリアルで象徴的な一瞬を捉えている。

残念だったのはセザンヌ。自分好みの作品がなかった。静物画が中心だったが、どうも魅力がわからない。見る角度を変えた絵を合成したような絵作りにどういう意味があろうとも、絵から受ける印象は弱い。

ピエール=オーギュスト・ルノワール『レースの帽子の少女』


 ポーラ美術館所蔵の印象派コレクション展

【会 期】 2006年1月2日(月)〜2月26日(日)  開催期間中無休
【開館時間】 10:00〜19:00(入館は18:30まで)
      毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
【会 場】 Bunkamuraザ・ミュージアム


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