2006年03月23日

荷風にローライ、増山たづ子、カメラ日和

「季刊クラシックカメラNo.5」の記事によると永井荷風はローライフレックスを使っていたそうだ。都内を散策しては撮影したり、かかわりのあった女のヌードを撮ったりしていたらしい。自分で焼き増しもしたようで、なかなかの写真機好きであったようだ。

荷風が撮った膨大な写真が空襲で消失してしまったのは、残念。公表をはばかれる写真も多かったと思われるが、昔の東京風景は見てみたかった。

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「増山たづ子徳山村写真全記録」を見た。前書き以外の文章は読んでいないので、まさに見たって感じだ。

ダムの底に消える予定になっていた村を60歳を過ぎた増山さんがピッカリコニカで撮影した写真を集めたものだ。日常的なスナップ写真でありながら記録写真でもあるとうところがやや特異。日常的な表情よりも笑顔の写真が多すぎるように思うが、哀惜の念も随所に見える。

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雑誌「カメラ日和」を買う。流行のスタイルで撮られた写真が多い。数年したらルーズソックスのように時代遅れになるかもしれない。

その特長は。

解像度が低く、色調が淡い。もしくは色が濃すぎる。へんなアングル。ぴしっとしない構図でゆるいシャッターチャンス。全体の雰囲気、印象としてはのんびり、またーり。つまり、おじさんたちが愛読しているカメラ雑誌のフォトコンテストとは逆の写真。


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