2006年09月11日

美術展:パリの浮世絵師 アンリ・リヴィエール『エッフェル塔三十六景』

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(C)Henri Riviere

9月9日(土)にニューオータニ美術館でパリの浮世絵師 アンリ・リヴィエール『エッフェル塔三十六景』を観た。

初日だからさぞ混んでいるだろうと思ったら、先客はひとり。そのひとも電話がかかってきたらしく、すぐに外に出て、あとは私一人での独占的鑑賞会。なんという人気のなさ。

『エッフェル塔三十六景』(Les 36 vues de la Tour Eiffel)はリヴィエールが葛飾北斎の富嶽三六景にヒントを得て、パリのエッフェル塔を風景の一部に取り入れた版画の連作だ。

 建造途中から描かれているのが、富士山との大きな違いか。また、その何枚かのエッフェル塔があまりに遠くに小さく描かれていて、このシリーズのひとつであると知らなければ気がつかないほどであることにも驚いた。それらの版画の中ではエッフェル塔の存在はほとんど意味をなしていない。ここからでも見えるんですよ、と遠望の限界点をしているかのようだ。

構図的には北斎だけでなく広重の作品の影響も強い。とりわけ江戸名所百景の大胆な構図の影響が見て取れる。展示品の横に影響を受けたと思われる浮世絵の小さな図版が添えられているのが親切でよかった。

リヴィエールは写真も撮っていた人で、版画の元になった写真も少しだけ並べて展示してあった。写真では記録的性格が強くて味気ない風景が版画になると情緒的に見えてくる不思議が体験できた。わずかな形態の加工、抽象化された線の処理、色合いの統一、新たに与えられた背景。これらが版画としての芸術性を高めていることがわかる。

興味のある人はほとんどいないだろうけど、外国人の版画やジャポニズムに関心があればどうぞ。

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■パリの浮世絵師
アンリ・リヴィエール《エッフェル塔三十六景》

会期 2006年9月9日(土)〜 10月22日(日)
会場 ニューオータニ美術館
東京都千代田区紀尾井町4-1
 ニューオータニガーデンコート6F(ロビィ階)

開館時間 午前10時〜午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
休館日 月曜日(但し、9/18、10/9は開館、9/19、10/10は休館)
入館料 一般¥500、小中生¥200
 (20名以上の団体は各¥100引)


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