2004年09月28日

書評:ビジュアル美術館 ポスト印象派

02ac9127.jpegビジュアル美術館 (第9巻) ポスト印象派』(コリン・ウィギンズ、同朋舎出版)を読了。

かつては後期印象派と呼ばれていたが、最近はポスト印象派と呼ぶらしい。後期印象派では印象派の中に前期と後期があるかのような誤解を与えてしまう。その誤訳が長いこと通用していたことが不思議だ。ポストを日本語訳すると「後世代」となるが、カタカナの方がスマートかもしれない。

本書ではセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、ロートレック、ムンクなどの画家やナビ派などのグループ、印象派にはなかった主題など多数のテーマがとりあげられている。図版が多く、解説も簡潔で読みやすい。印象派は知っているけど、その後の絵画の流れがちょっとわからない、という人には最適だろう。

印象派はグループというよりも絵画の手法と考えた方がいい。ルノワールやモネなどの印象派の画家が本書にポスト印象派として登場してきても驚くにはあたらない。彼らも印象派の手法からさらに先に進むことでポスト印象派でもあったのだ。

ちなみに印象派の「印象」はモネの絵のタイトルに由来するもので、印象派の手法と印象という言葉は本来合致しない。印象派は太陽の光に照らされた事物がどのように見えるのか、その光の効果を研究し、屋外で素早く画布に写しとった。鮮やかな色を再現するためにパレットで色を混ぜずに画布の上に原色のままに配置して鑑賞者の脳内で色を合成しようとした。少なくともそのことを知った上で読む必要はある。

このシリーズは面白そうなので他のも読む予定だ。

左上の絵はゴッホの「夕方のカフェテラス(アルルのフォラン広場)」


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